赤い三角屋根

ocha-uke2006-06-05

わが街、国立(くにたちと読みます)のシンボル、赤い三角屋根の駅舎はいよいよなくなってしまうらしい。

大正15年開業というこの駅舎は古く、同じくらい古い駅舎に原宿駅軽井沢駅などがあるという。
当時日本は鉄不足で、アメリカで廃材となった鉄路などを材料として輸入し駅舎の材料としており、そのいくつかはホームの梁などに見られると以前市報に書いてあった。
「へえー(3ヘエ)!」と思い駅を利用した際ホームの上を見上げるとありましたよ、アンティークな鉄路の梁が。
そのいくつかは年代や地名などの痕跡を残しており、ひょっとしたら戦前ブルースマンの誰かがセントルイスあたりでこの鉄路の上で揺られていたかもしれない、と思うとワクワクした。
しかし最近になり中央線高架化の工事に伴い屋根が新しくなったので、その梁ももう残ってないと思われる。

下りのホーム(南側)の脇にあった、他の桜よりひと月ほども早く咲く桜(たしか寒緋桜、あまり早く咲くのでバカ桜なんて呼んでた、ゴメン)ももうとっくに伐られてしまった。みんなあの桜が咲くのを楽しみにしていたんだ。

建築家として著名な藤森照信さんは「世界並木道選手権」のよーなものがあれば国立の3位入賞はマチガイない(それほど美しい)とし、そのビューエンド(視点の定まるところ、風景のヘソ)としてこの三角駅舎以上のものはなく街の有効な資源と言って良い、とどこかで仰っていた(マチガッテいたらごめんなさい)。

しかし南北の往来が不便で、朝夕には開かずの踏切り(年寄りや子供には大変危険)になるのが解消されるのなら高架化やむなし、のヒトの方が多いと思う。

儲からないことには一銭も出したくない(駅舎の移設、保存には莫大な費用がかかる)、というのも企業の論理としては仕方のないことなんだろう。

そこで明日あたりコンコン、と駅長室をノックして「こんにちは。ここに1億円あります。このお金は僕がウクレレで稼いだお金で、けしてヤマシイお金じゃありません。駅舎の保存に役立てて下さい、サイナラ」っていうのはどう?

写メは駅前の商店街で売っている駅舎のキーホルダー。直径約2cm、実物はオドロクほどよく出来ていてよく売り切れるらしいよ。